恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】
「そんなことないです。今は皆睫毛だってなんだって盛ってるんですから」
「一花さんも?」
「いえ、私はマスカラだけですけど。アイメイクするとなんか派手になっちゃって」
正直にそう言うと、西原さんがゴーンと落ち込んでしまった。
「天然でくっきりぱっちり、羨ましい」
「さよさんはナチュラルメイクでも十分綺麗ですよ。目だって控えめでいいじゃないですか」
「……それって私の目が図々しいって言いたいんでしょうか」
ってか、東屋さん。
全然フォローになってないと思いますけど大丈夫?
まあ多分東屋さんは本気で西原さんの目が控えめで可愛いって思ってるんだろうな。
それに実際、アイプチでデカくすることはできるけどちょっともったいないと思ったのも確かだ。
「でも東屋さんの言う通り、ちょっと二重が浅いだけで綺麗な目のカタチだと思います。アイプチなくても全然大丈夫です」
あんまり、そういうの気にする方でも無さそうなのに、どうしたんだろう?
とちらりと疑問が頭を掠めたけれど、この時はすぐに会話に紛れて消えてしまった。
「そうかな? ありがと、とりあえず今日一日この顔で仕事してみる。コーヒー入ったから三人分淹れるね」
頬を染めて少し照れた表情で、彼女はイソイソとコーヒーをカップに注ぐ。