社内公認カップルの裏事情 〜ヲタクの恋は攻略不可能?〜

私と真樹の優先順位の一番には間違いなく〝ゲーム〟の存在が置かれている。他のなによりもゲームが大事な私達は、話をしているうちに、付き合っているという程で同棲を開始するのが一番良い環境でゲームをし続けられることに気づいたのだ。

まず、付き合っているということにすれば、お互いの周りに群がってくる異性の存在を消すことができるし、周りにしつこく〝何故恋人をつくらないのか〟と聞かれることも無くなる。

そして、今まで一人暮らしをしていた私と真樹は、二人で一緒に住むことにより家賃光熱費を今までよりも安く抑えられること。それから、お互いのゲームを共有しあえるというメリットに気づいた。


こんなの、普通ならあり得ないのかもしれない。旦那でも恋人でもない。ましてや、仲の良い友達というわけでもない。ただ共通の趣味を持っているというだけの異性と同棲なんて、周りからすればどうかしていると思われるかもしれない。


だけど、私には正直、何度冷静に考えたってメリットしか浮かばなかった。

だから、「お互いに良い環境でゲームを続けるために、手 組むか」と提案して真樹が右手を差し出すと、私は迷わずその手を握った。


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