鬼社長の魅惑のボイス。
憧れのカイ様ボイスを直で聴くことが
出来るなんて……。
しかも名前で。
あまりのとろけそうな
カイ様ボイスに
「うっきゃああっ~!!」
悲鳴が飛ぶ。
腰が砕けそうになるぐらいの
衝撃だった。
「うるさいぞ。椎名」
あまりの悲鳴に不機嫌そうな
表情になる社長。
「すみません。でも……だって社長が……」
あんなカイ様ボイスを聴かされて
正気でいられる自信はない。
すると社長は、またクスクスと
笑ってきた。
「やっぱり。お前は、単純で分かりやすいな。
そうか……俺の声に弱いんだな?」
私を見てニヤリと笑う。
どう見ても面白いオモチャを見つけたような
怪しい笑い方だった。