鬼社長の魅惑のボイス。
たまたま秘書検定の資格も取っていたため
すぐさま応募した。
何が良かったのか分からないが
勢いで勝ち進み秘書になることが出来た。
だが
この須藤社長は、曲者だった。
「椎名。何だ?この契約書のまとめ方は!!
こんなのを出したら俺の恥だ」
「椎名。早くしろ!!」
イケメン、高学歴、実力ともに
完璧に見える社長だが、周りから怖れる存在だった。
他人にも自分にも厳しく
逆らう者には、容赦しない……その姿は、
まさに鬼社長そのものだった。
イケボなのに……怖い。
あの声に騙された。
私は、毎日怒鳴られ、こき使われる。
カイ様なら甘い声で
こんな酷いこと言わないのに……。
「椎名!!」
「は、はい。」
こんなの詐欺だ。
私は、毎日しんどい思いをしながら
働いていた。