鬼社長の魅惑のボイス。

翌日。
中途半端な気持ちのまま社長を迎えに行く。

ふぁっ~とあくびをする。
結局、悩み過ぎて徹夜して
オーシャンを全部観てしまった。
眠いし心は、今だに晴れない。

社長の自宅マンションが見てくる。
車から降りると私は、社長に連絡をした。
しばらくすると出てきた。

「おはようございます。社長」

「あぁ。それより昨日頼んでおいた
〇〇社との会議の準備は、大丈夫か?」

「は、はい。今日の午後14時には
間に合うように言ってあります」

私は、すぐに返事をする。
車に乗り込んでも今後のスケジュールの確認をしたり
書類のチェックをしてもらった。

あれ?意識をしてるのは、私だけで
社長は、普段通りと変わらない。
いや、むしろ無かったことになっている。

思わず昨日のは、幻だったんじゃないかと
思ってしまうほどだ。

それとも秘密をバレたと意識するほどでも
ないのだろうか?
弱味を握られたのは、どちらかと言えば
私の方だし……。

ハァッ……とため息を吐く。
だとしたらあれだけ悩んだ私は、
馬鹿みたい。

< 20 / 79 >

この作品をシェア

pagetop