鬼社長の魅惑のボイス。

「いつまでふて腐れてるんだ?椎名」

会社に着くのだが
私は、ずっとムスッとしていた。

そりゃあ、そうだ。
社長は、ちょっとしたからかい程度だと
思っていただろうけど
私は、傷ついたのよ。

kissだって初めてじゃないけど
好きな人って決めていたし。

すると社長は、エレベーターに乗り込むと私に
「いいじゃねぇーか。kissの1つぐらい
減るものじゃあるまいし」と言ってきた。

kissの1つぐらいって……。

「そう言う問題じゃありません……」

「じゃあ、何が問題なんだ?
愛しのカイ様とやらにkissをされたんだから
満足だろう?」

呆れたように言う社長。

問題とかの問題じゃない。
そりゃあ、カイ様が社長と知らなかった時は、
あの声になら抱かれてもいいと思ったけど
それは、あくまでもカイ様の声であって……社長じゃない。

それにkissを軽々と考えるなんて酷い。
きっと遊び人なんだわ。

鬼社長の次は、声優で
次は、遊び人だなんて……。

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