鬼社長の魅惑のボイス。

「社長。どちらに?」

「違うスタジオ。
今日は、ラジオの放送があるんだ!
さっさとしろ」

社長は、ボソッと言うと
他の共演者とスタッフさん達に挨拶をして
出て行ってしまった。

えぇっ!?
待って下さいよ……。

私は、慌てて社長を追いかけた。

次に向かったラジオ局。
社長は、着くなりすぐに打ち合わせをする。
細かく流れを確認すると

すぐにスタンバイをして
ラジオがスタート。

あっ……今日は、カイ様のラジオ
『カイのナイトジャパン』がある日だわ!?

私としたことが……すっかりと
忘れていた。
いつもならスタンバイして聴いているから

『皆様。こんばんは。
カイのナイトジャパンのお時間になりました。
今日は、新情報もありますので
お見逃しのないように聴いてて下さいね』

ラジオのリスナーに向けて話す社長は、
またもやカイ様そのものだった。

この……全身に響くような甘い声。
ゾクゾクしてしまう。 

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