鬼社長の魅惑のボイス。
「待って下さいよ……社長」
うぅっ……腰がガクガクだ。
社長も意地悪だ。
社長のせいで、こんな状態なのに……。
何で、この人だけ元気なの?
私は、不満をそこそこに
急いで車に乗り込むと会社に向かった。
車の中で昨日出来なかったスケジュールの
確認をする。
タブレットを使い変更はないかチェック。
「社長。今日のスケジュールですが……」
チラッと社長を見ていると
あ、寝ている……。
横に座っていた社長は、ウトウトと
眠っていた。
やっぱり疲れているんだ……。
それもそうよね。
社長だって人間だもの。
あんな遅くまで別の仕事をしていたら
疲れもするだろう。
私は、そのままに寝かせてあげることにした。
しかし会社に着いた頃には、
「椎名。何で寝てたなら起こさなかったんだ!?」
逆に叱られてしまう。