鬼社長の魅惑のボイス。
やり直しか……。
ハァッ……とため息を吐きながら
契約書を見つめる。
すると社長は、耳を掴みながら近づき
「おい、椎名。聞いてんのか!?」と言ってきた。
ゾクッ!!
「うっきゃああっ~!!?」
あまりにもカイ様と似ているイケボに
思わず悲鳴が飛ぶ。
「な、何だ!?ちょっと耳元で
注意をしただけだろう?騒ぐことか……」
社長は、私が急に騒ぐから
驚いた表情をしていた。
「す、すみません。
あまりにもイケ……いえ。驚いてしまって」
「逆に、こっちが驚いたぞ。
まったく……」
ため息を吐きながら私を見る社長。
「……すみませんでした」