名前で呼んでよ。
「で、でも…。」
悠希は私が話し始める前に教室から出ていってしまった。
ほんとうに嫌なんだ。
どうして私だけ名前で呼んでくれないのか。
返事だって冷たいし、嫌われてる自信しかない。
そんな事を考えていると自然と涙が出てきた。
気まぐれで、たまに見せてくれる笑顔が可愛くて、機嫌がいい日と悪い日の差が激しくて。
でも、じつは結構優しくて、冷たいけど約束は守ってくれる。
好きなところを挙げたら、キリがないけど、大好きなのになぁ。
「ただふつうに名前で呼んでほしいだけなのに…」