だからそれは、愛じゃない。
「良太、俺、朱里に嫌われてるかも。もう無理かも。友達からも諦めろって言われたし」
……もう、ツラすぎる。避けられる事がこんなにツライだなんて思わなかった。
「あのさー!! 朱里さんが避けてるのって、どうせ彼氏が原因なんでしょ?? 何、弱気になってんのさ。和谷くんはこのままでいいの?? 和谷くんがツライように、朱里さんもツライんだよ」
……朱里はツライんだろうか。
だって、何事もなく笑って過ごしてるし。
「俺気になってる事があるんだけどさ。朱里さん、そもそも男と話してる??」
………男と。
朱里の学校生活を思い出してみる。そういえば、俺以外のヤツとも話してないかも。
朱里の事ずっと見てたハズなのに、良太から言われるまで気づかなかった。
「………男と、話してない」