だからそれは、愛じゃない。
萌ちゃんに『朱里!』と心配されるも、そのままの勢いで教室を飛び出し、急いで女子トイレに駆け込む。
「うっ………、ううっ………」
唇を噛み締めながら泣いた。
……ツライ。
祐樹と話せない事がずっとツラくて、一言だけど祐樹と話せて、どうしようもなく嬉しかった。
溢れ出す祐樹への気持ちを、感情を、押し殺すなんてできなくて、ひたすらこみ上げてくる涙を流す。
私、やっぱり祐樹が大切だ………
大切で、大切で、大好きだ。
鶴橋くんにない感情が、祐樹へ溢れ出す。
私バカだ。何でこんな風にならなきゃ気付かなかったんだろう………
私の一番は鶴橋くんじゃない………
祐樹だったんだ。