だからそれは、愛じゃない。
『だから、奪うよ』
***
高城が落ち着くまで、何気ない会話を交えながら元気付ける。
ようやく『アリガトウ。だいぶ気持ち楽になったから、もう大丈夫』と俺に笑いかけてくれた。
帰り道、高城の事と鶴田の事を良太に電話で報告する。
「高城に聞けたよ。やっぱり鶴田は高城とも付き合ってた」
結論だけ伝えるも『やっぱり………』と、いつに増しても低い声の良太。
分かっていても、やっぱり相当ショックだよな………
きっと信じたくなかったよな……と思いながら、
「高城さ、俺に助けを求めてきたよ。鶴田と別れたいって。………良太、協力してくれる??」
信じざるを得ない状況が今なんだ。
”絶対助ける"なんて言っておいて、自分では何も思いつかず、いつも良太に助けを求めてしまう。
「言ったっしょ。鶴橋………いや、鶴田先輩の束縛を辞めさせる方法を考えるって。俺もう思いついてるから」
いつもの声色に戻った良太にホッとした。