だからそれは、愛じゃない。




「………………学校は??」




 ”久しぶり”と言うワケもなく”元気だった??”と言うワケでもなく、”なんでここにいるの??”と遠回しに聞いてみた。


「朱里が心配で。いてもたってもいられなくなって、早退したんだ………」


 と、苦しそうな悲しそうな表情を私に向ける鶴橋くん。


 ………苦しくて悲しいのは私の方だよ。



 こんなに申し訳なさそうな表情をしてるくらいだ。


 今日はさすがに殴らないだろうと思い、玄関の扉を閉め、外で鶴橋くんと話す事にした。



「朱里、本当にごめん。殴ったりなんかしてごめん………」



 頭を下げて私に謝罪してきた。


 ………ムリだよ。そんな簡単に許せるハズがない。

< 164 / 250 >

この作品をシェア

pagetop