だからそれは、愛じゃない。
「もうイイよ………」
だけど、鶴橋くんだけが悪いワケじゃない。
情で離れられなかった私にも原因があるんだ。
結局、鶴橋くんに『別れたい』という事ができないまま、鶴橋くんは帰って行ってしまった。
鶴橋くんは私の傷を見てどう思っただろう………
少しでも『申し訳ない』と思ってくれたのかな。
鶴橋くんと別れれない私は、どっちにしろ鶴橋くんを許すしかない。
”次別れたいなんて言ってみろ。和谷祐樹をお前と同じ目に遭わせるからな”
鶴橋くんが怒鳴った言葉が頭から消えない。私には選択肢なんてない。
また『別れたい』なんて言って、もし祐樹をボコボコにされたら………
……そんな事、考えたくもない。
祐樹に害が加わるくらいなら、私が我慢する。
……祐樹は絶対に殴らせない。
絶対、私と同じ目になんて遭わせない。