だからそれは、愛じゃない。
「朱里………ちょっといいか」
子どもみたいに泣く萌ちゃんを必死に慰めていると、祐樹が私に気まずそうな顔をして私に近寄ってきた。
……祐樹にもかなり迷惑かけちゃったな。
『うん』と頷き、『教室から出よう』と言う祐樹の後をついていく。
……どこ行くんだろう?? そんな事をぼんやり考えながら祐樹の後を追う。着いた場所は準備室だった。
二人で準備室の中へと入る。
「……………………………」
黙ってる場合じゃない。謝らなきゃ!と、声を発しようとしたその瞬間、
「朱里。俺、朱里が好きだ。ずっと昔から朱里が好きだった。鶴田に奪われるなんて納得できなくて俺なりに邪魔したつもりだったけど、それが朱里を逆に傷つけてた。………ごめん、朱里」
……………………へ??
いきなり”朱里が好き”と言い出す結樹に頭が真っ白になる。
「………萌ちゃんが好きなんじゃないの??」
頭を下げながら謝る祐樹を励ますつもりだったのに、”好きだ”と言われ、出てきた言葉は全然違うモノだった。
夢でも見ているんだろうか。
祐樹が私を好きだなんて………全然信じられない。