だからそれは、愛じゃない。
この日は良太が部活体験に来ていて、もう先輩達と仲良くバスケをしていた。
……やっぱり良太は人から好かれる。
先輩達と仲良くなってる良太を凄いと思いながら、その光景を、俺はただただボーッと見ていた。
当然部活をしている場合ではない俺は、ボーッとしている場合でもなくて、『和谷くん大丈夫?? お腹痛いんだって?』と、話しかけてきてくれた高城を逃がさまいと、『イテテ………』と、ワザと大袈裟に演技をしてみる。
俺の演技にまんまと引っ掛かった高城は『大丈夫!?』と心配してくれた。
『大丈夫』と頷きながらも『でもまた痛くなるかもだから』と、高城に隣に座るように言う。
こうでもしなきゃ、高城が離れて行ってしまう。
……計画の話ができなくなってしまう。