だからそれは、愛じゃない。
遠くから良太の声が聞こえた。
段々と近づいてくるのが分かる。
「学校はまず、退学決定だよね。だって鶴田先輩は犯罪犯しちゃってるもんね。朱里さんを何日も学校来れなくなるまでボコボコに殴ってさ。前科があるからもう言い逃れなんてできないよ」
「はあ!!!?」
「あ、前科で一週間休んで精神的苦痛追わせてるから、傷害罪にもなるね。どっちにしろ刑務所か少年院じゃない?? まあ、どっちにしても親泣くね」
良太の一言で、鶴田の殴る行動がピタリと止まった。
「そもそも俺は何も悪くねぇだろが!!! 朱里は俺との約束を守ってれば俺だってイライラしなくて済むし、こんなに殴らなくてもいいんだよ!! 俺だって殴りたくて殴ってるワケじゃねぇよ!!」