だからそれは、愛じゃない。




 頑なに私の恋愛を協力してくれない祐樹にムカつきながらも、翌日。


「ねー、萌ちゃん!」


最終手段。友達を頼ってみる。



 萌ちゃんは人懐っこくて超カワイイ。だから、彼氏が途切れる事はない。



 萌ちゃんに鶴橋くんが好きな事を相談してみると、『やっと朱里にも好きな人ができたのね! ちょっとリサーチしてくるね!』と、もうすぐホームルームが始まるにも関わらず、嬉しそうに教室から出ていってしまった。


 祐樹とは違って、すぐさま行動に移してくれる萌ちゃんに罪悪感を抱きながら自分の席へと着く。


 ――しばらくすると、萌ちゃんが帰って来た。上機嫌具合を見ると、どうやら『リサーチ』は成功したらしい。



 そんな上機嫌な萌ちゃんに、『鶴橋くんどうだった??』と、聞こうとした時、


「朱里ー! 鶴橋くんのLINE教えてもらっちゃった!」



 『リサーチ』を通り越して、連絡先を教えてもらっていた。



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