だからそれは、愛じゃない。





 そしてさも、当たり前のように、


「ハイ。朱里! 鶴橋くんのLINE!!」



『連絡しなよ??』と、私に小さいメモ紙を渡してきた。


 恐らくこのメモ紙に鶴橋くんのLINEのIDが書かれてあるんだろうけど、


「イヤイヤイヤ!!!」


連絡先を教えてもらったのは私じゃない、萌ちゃんだ。きっと、萌ちゃんだから『教えてくれた』に決まってる。


 受け取ることなんてできない。


 だって私、何もしてない………


 でもだからといって、鶴橋くんの連絡先なんて、自分じゃ当然聞き出せない。



 『受けとる事なんてできない』と思っていたにも関わらず、欲深い私は鶴橋くんの連絡先を受け取ろうとした。


 ――その時、


「は?? 鶴田の連絡先??」


メモ紙を受け取ったのは、私ではなく祐樹だった。



「萌ちゃんがわざわざ聞いてくれたの。返して」


「やだ。俺がLINEする」


「は!? 祐樹がLINEしてどーすんのさ!!」


「だって、朱里『仲良くなれ』って言ったじゃん」



 ……いや、言ったけどさ! 昨日拒否りまくってたじゃん! 今更『仲良くなれ』なんて普通、思わないよ!


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