だからそれは、愛じゃない。
ジワジワと侵食する恐怖。
「責任が取れるようになるまでって。そんな大袈裟だよ」
『アハハ』と笑って済ませる朱里。
部屋に引き込む程、苦しい事があたんだろ?? そんなヤツとそんな事をするのかよ??
「笑い事にしないで。俺もそういう事はしない。もし仮に彼女ができてもしない。だって、責任取れないから。だから、朱里もしないでほしい」
大袈裟なんかじゃない。
万が一、そういう事になって取り返しのつかない事になったらどうする?? そうなってからじゃ遅いんだ。それで不幸になるとは決めつけないけどそうなる事を避けたいんだ。
俺の言葉に納得したのか、朱里は『分かったよー! 大丈夫、万が一そういう事になっても断るから』と言ってくれた。
………やっと分かってくれた。
「でも私、鶴橋くんに嫌われたくない。それが原因で嫌われちゃったらどうしよう………」
いい感じに納得したと思っていたのに、また1つの不安を持ち出しては悩み始めた。
「そんなの体目的なだけじゃん。大丈夫、朱里には俺がいるから。いつでもそばにいるから」
”いつでもそばにいる”この言葉に嘘はない。