だからそれは、愛じゃない。



 風呂から上がるとおばさんは昨日の夜母さんが持ってきてくれただろう、替えの服を置いててくれた。



 急いで替えに着替え、朱里と一緒に朝食を食べる。


 …………マジ、本当勘弁してくれ。


 ご飯を食べている間『俺の片想い』だと知ったおじさん、おばさんが二人でニヤニヤニヤニヤ俺を見ていた。


「……………………」


 ――恥ずかしすぎて、いてもたってもいられなくなり、『ごめん、今日朝練だから早く行く』と、早々と食器を片した。


 あんな事言わなきゃよかった。


「まって! 祐樹! 私も行く!」


 まだ食べてて良いのに、朱里も俺に合わせ食べかけの食器を片してしまった。


 『ハイ、佑樹くん』おばさんから”まって!”と言われ渡されたものはお弁当だった。


 どうやら俺の弁当も作ってくれたらしく、『祐樹くんはお父さんの弁当箱だからね』と、おじさんの弁当箱を取り上げてしまった。



 その代わりおじさんはタッパーらしい。


 ………ごめん、おじさん。


 『昼、頂きます』と弁当を鞄に終い、玄関までおじさんとおばさんに見送られる。


< 71 / 250 >

この作品をシェア

pagetop