だからそれは、愛じゃない。
朱里とどうでも良い話をしながら学校へ着いた。
教室に入るなり、自分の席へ座る俺を見て、
「あれ?? 祐樹、朝練は??」
朱里は首を傾げながら不思議そうに聞いてきた。
「あれウソ。早く学校来たい気分だったから」
さすがに『おじさんとおばさんに朱里が好きだって知られたから居づらかった』なんて言えない。
『そっかー』と頷くなり、不安そうな顔をして見せる朱里。
「………あのさ、鶴橋くんに『祐樹が夜来ても話さないで』って言われたの。だから部屋に入ったことは、言わないでくれる??」
『内緒にしてほしい』とお願いする朱里。
元気がなかった理由はコレか。