だからそれは、愛じゃない。
◆◇朱里side◆◇
『祐樹と会わないで』そう鶴橋くんから言われたから私は自室に引きこもった。
夜、祐樹が来てるのは分かっていたけど、どうしようもできずにベッドでふて寝していた。
………ゴメン、祐樹。
付き合うってこんなにツライの??
少女漫画みたいにドキドキワクワクの毎日じゃないんだろうか。
思い描いていた理想のカップル像とは酷く、かけ離れているように思えて仕方なかった。
ぼんやりとそんなコトを悶々と考えてると『朱里』いつもより低い声で私の名前を呼んだ祐樹が私の部屋に入ってきた。
………そういえば、鍵かけてなかった。と焦る反面、もういいや。だって、話さなければいいんだ。と、自暴自棄になる。
でも祐樹はそんな私を放っておいてくれるはずもなく、『鶴田と何かあった?キスでもされた?』と聞いてきた。
本当は何もされてないけど、祐樹と話がしたくて『おでこに、された』と嘘を吐いた。祐樹と話したかったはずなのに、祐樹と話せた安心感からか、私の視界はボヤけ意識が徐々に遠のいていった。