だからそれは、愛じゃない。




 ………………ウソでしょ!!?


「イヤー!!! 何で祐樹が寝てるの!!」


 朝起きると、何故か祐樹が私に抱き着いた形で眠っていた。


 あり得ない!!!


 恥ずかしくなって、


「もーーー!! 祐樹のせいで変な夢見たじゃん!」

と、叫んでしまった。



 あんなリアルな夢、今までみた事ない。
 だけどあの夢のおかげでまた、祐樹と笑って話せる事ができた。



「男はケダモノ。俺達高校生なんかは特に、思春期真っ盛りじゃん。キスなんてしてしまえば、その後の事もしたくなるに決まってんだろ。だからダメ!キスも、それ以上も。自分で責任が取れるようになるまでダメ」



 なんて言ってくる祐樹。


 祐樹はいつも私を一番に心配してくれる。


 だから、そんな祐樹を裏切りたくはない。祐樹がそう言うなら、私は例え鶴橋くんが好きだろうと、そういう事になるのだけは避けようと思った。


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