だからそれは、愛じゃない。




「祐樹はそんな事しないよ!」


「するよ! 和谷くんは俺がいても、そういう事を平気でするヤツだよ!」


 な………っ


 鶴橋くんは祐樹と最近知り合ったばかりだから……祐樹の事何も知らない……だからそういう風に決めつけちゃうのかもしれない。



 だけど、私はずっと祐樹と一緒にいた。


 誰よりも祐樹を知ってる。



「しない!! 祐樹と幼なじみだから分かるの。絶対に祐樹はそんな事しない!」



 ついついムキになって言い返してしまう。



 そういう事をする人だって決めつけられる事にどうしても許せなかった。



「俺は和谷くんと同性だから、和谷くんの考えてる事は分かる! 同性だから、朱里には分からない事まで分かるんだよ!!」



 鶴橋くんの怒鳴り声で、周りがシン……と、静まり返ってしまった。



 ……当然、祐樹も慌てて『どうした?』と、教室から出てくる始末。



 しっかり注目を浴びてしまう私達。



 なんで決めつけるの。
 祐樹はそんな人じゃないのに………


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