だからそれは、愛じゃない。




 『ついて行こうか??』と心配してくれる祐樹を突っぱねて、一人保健室へ行く。



 具合なんて悪くないけど、今は到底人と話せる気分じゃない。


 ――結局、放課後まで保健室で過ごしてしまった。



「佐野さん、少しだけ職員室に行ってくるわね?? 歩ける?? 教室まで戻れる??」


 と、心配してくれる保健室の先生に『大丈夫です、すみません』なんとか立ち上がり、保健室を出た。



 ハア………
 気分が重い。
 色んな人を必要以上に心配させてしまったし………喧嘩したくらいで、いちいち落ち込んで情けない。


 重い足取りで教室へ戻ると自分の席へいる祐樹。私を見るなり、待ってたかのようにヘラッと笑って『こっちこい』と、手招きした。


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