だからそれは、愛じゃない。





 別れ話をされるとばかり思っていたのに、


「キライになんてならないよ。俺は朱里にずっと側にいてほしいよ。でも俺、独占欲強いし………昼も、怒鳴ったりして反省してるんだ」


 『だからゴメン』と私に謝ってきた。



「私と別れ話する為に待ってたんじゃないの??」



「そんなワケないじゃん。朱里にヒドイ事言っちゃったし、凄い落ち込んでたし……謝りたかったんだよ」



 ……鶴橋くん。
 『別れ話じゃない』と分かって、緊張の糸が切れたのかポロポロと涙が出てきた。



「私こそ心配させちゃってゴメンね………でも、祐樹とは本当に何でもないからね??」



 キスされたと思い込んだままでいてほしくなかった為、また念を押すように問いかけてみる。すると、鶴橋くんはゆっくり頷いてくれた。


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