だからそれは、愛じゃない。
当然、納得なんてできない俺は、朱里に内緒で家に行く。
家に行くとおばさんが出迎えてくれ、でも今の俺はおばさんと悠長に話している場合でもなく、笑い掛ける事なく、半ば強引に家の中へと入った。
俺の不機嫌な表情におばさんは戸惑い、『お菓子でも食べる??』と聞いてくれたが、今の俺はのんきに、お茶菓子なんて食ってる場合ではない。
おばさんには申し訳ないけど、『大丈夫』と断り、早々に朱里の部屋の前まで行き『朱里、いるんだろ?』と朱里に問いかける。
――返事がない。
また寝てるのか、と思って部屋のドアノブを引いてみるも、今日はガッチリ鍵が掛かっていた。
……今度はあの時みたいに、上手くはいかないらしい。