だからそれは、愛じゃない。
「朱里、どうした?? 何があった?? 学校、一緒に行きたいって言ってくれたじゃん」
”話したくない”と言われた事は一旦無視して、朝の登校について問いかけてみる。だけどやっぱり返事がない。
返事がないので、若干イラつきながら、『明日もいつも通りに迎えに来るから!』と言うと、
「来なくていい!! 祐樹とは話したくないの!! 言ったでしょ。鶴橋くんを一番に考えたいって!! だからもう構わないで!!」
やっと返してくれた朱里の返事は、どこか悲しげで、投げやりだった。
『もう帰って!!』と、俺に向かって叫ぶ朱里。
………悔しかった。こんな事を言ったら朱里を傷つけるって分かってはいたけど、何か言わないと気が済まなかった。
「朱里は今までの俺との関係を崩してまで、アイツに尽くすんだな………」