【中編】彼女様は甘い味。




「てゆうかさ、…奏音」

あたしの耳元に囁くように先輩は言って。



こ、この密着感…!!


良くないです、これは良くないです!



「あ、あの…っ」

「見てみてよ」



へ…?

見て、みなよ。ですか??


先輩が指差す方向。つまりあたしのパジャマのポケットを見てみました。


「ポケットがどうかしたのですか…?」


自分で口にしてみてからハッとしまして、
先ほど大塚先輩があたしのポケットに手を近付けていたような気がしますが。

…多分、ですけど。



「ポッケに手、突っ込んでみて?」


先輩は目を細めて笑うとあたしから離れて、ベッドの隅にドスンと腰を降ろしまして。

その表情はどこか得意気。で。



「ポケットに手ですか…?

…手、…っっ!!」



こ、これはー?!


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