【中編】彼女様は甘い味。
指先に触れた“何か”が奏音の好奇心を擽る。
…コレは一体?
そういえば、…前にもこんなことが。
「先輩!も、もしかしてまた…、
…えーと、マジック?ですかっ!?」
“魔法”ではなく“マジック”
ということはどうやら学んだようでして。
けどさっきまでの浮かないような曇った感じの表情が嘘のように、
今は180°変わってその表情は晴れている。
…単純。単細胞。
「あ!じゃぁもう、魔法じゃないって分かったんだ?」
あー…、
やっぱり本当に魔法では無いんですね。
何だか残念です、…けどあたしにとってみれば大塚先輩のこの“マジック”は、
素晴らしい“魔法”のようなものです!
と、少し小馬鹿にされていることには全く気が付いていない。…奏音。
とりあえずその指先に触れた物をギュッと掴むと、
それは確かな感触になって…
「…これ、!!
ウーたんのぱっちんぴんどめではないですかぁっ!?!?」
バッと勢い良くそれを取り出すと…
若干、いやとつもなく興奮MAXの奏音。
手に握られているソレ、はこれでもかってくらいに奏音の大きな瞳を更に大きくさせた。