【中編】彼女様は甘い味。




「あー、…何か奏音みたいな女って、

すげぇ喰いたくなるわ」



お、お、女ーっ!?

喰いたく、なるって…




※危険。



危険信号、赤ランプ。

避難命令が下ったのですが、逃げられません。




あたしの上に…

何故ならば、


「どいて、…頂けたら幸いなんですけれども」



と苦笑い。


これが精一杯、らしい。



「ねぇ、奏音って知ってる?…楽しい遊び」

あ、無視ですかあたしの言葉は。



「楽しい、遊び…ですか?」

あぁ!…分かってないよ、この子。




「そう、…まずは服、脱いで「おい、変態…」」


怒っているような低い声。

これはさっきの大塚先輩のものではなくて…



その声に反応した先輩が振り返ろうとした時、


ドスッと鈍い音がしまして、


今度はドサッとあたしに覆い被さって倒れる、大塚先輩。



「あ…、あの…」

「愁はさ二重人格なんだよ、タチのわりぃーな」


面倒くさそうに先輩はそう言葉を吐き捨てると、

そのまま大塚先輩を抱えて外に出ていってしまいまして…


ポツンと取り残されたあたしは、
何だかよく頭の中が解決されていないような。


そんな感じです。


< 129 / 189 >

この作品をシェア

pagetop