【中編】彼女様は甘い味。
「あー、…何か奏音みたいな女って、
すげぇ喰いたくなるわ」
お、お、女ーっ!?
喰いたく、なるって…
※危険。
危険信号、赤ランプ。
避難命令が下ったのですが、逃げられません。
あたしの上に…
何故ならば、
「どいて、…頂けたら幸いなんですけれども」
と苦笑い。
これが精一杯、らしい。
「ねぇ、奏音って知ってる?…楽しい遊び」
あ、無視ですかあたしの言葉は。
「楽しい、遊び…ですか?」
あぁ!…分かってないよ、この子。
「そう、…まずは服、脱いで「おい、変態…」」
怒っているような低い声。
これはさっきの大塚先輩のものではなくて…
その声に反応した先輩が振り返ろうとした時、
ドスッと鈍い音がしまして、
今度はドサッとあたしに覆い被さって倒れる、大塚先輩。
「あ…、あの…」
「愁はさ二重人格なんだよ、タチのわりぃーな」
面倒くさそうに先輩はそう言葉を吐き捨てると、
そのまま大塚先輩を抱えて外に出ていってしまいまして…
ポツンと取り残されたあたしは、
何だかよく頭の中が解決されていないような。
そんな感じです。