【中編】彼女様は甘い味。




そしてふと思いました。

結局あの歌詞は誰に向けて書いたものだったのだろう?と、



「…前は、そのアレだったけどよ、

今は別に嫌じゃねぇっていうか…とにかく!お前のままでいいっていうか」


先輩は真っ赤な顔をして必死にそう言うと、あたしからプイッと顔を逸らしてしまいました。



お前のままでいい。

その言葉が何だか心に染みてきます…



けれど、


「苛々しませんか…?あたしと、居て」

せっかくいい雰囲気になってきたのにも関わらず声を震わせて奏音はこんなことを言い出す。…相変わらずといえば相変わらずだが。


やっぱりあたし、まだ蓮先輩に言われた言葉を引きずっているみたいです…ね。


「しねぇよ」

でも、まだ何だか…


「…本当、ですか?」


「あぁ」

でもでも!…もしかしたら本当は、



「本当に本当に本当にですか!?」


「…っ」


あ、やっぱり本当は苛々するんですね…

あたしの性格って変えたほうが良いのかもしれません、でもどう何を変えたらいいのかまったく分からないのです、


ていうよりもあたしの性格とは一体何なのでしょうか?



もしかして先輩は本当はあたしのこと、


『嫌い』



…っ!!


うぅ、


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