【中編】彼女様は甘い味。
「はい、…みんなです」
先輩はやっぱり皆さんの目を引きつけてしまうんですね…
大体!!こんな赤い髪にこの身長の高さじゃ、
みなさんも見てしまいますよね、…でもそれだけじゃなくて“顔”も見てるんでしょうね。
けど先輩は皆さんがイメージしているような優しい人じゃないんですよ!?
…言葉使いだってあまり良くありませんし、
何よりも先輩は人を上から見下すような…勝手な所だってありますし、
って…!!
これじゃぁあたしが気にし過ぎてるみたいじゃないですか?!?!
と何故か無性に顔が熱くなるのを感じる。
「もしかして奏音…嫉妬してんのか?」
嫉妬…!?
シット。
あ、あたしが嫉妬ですかっ!?
嫉妬…嫉妬…、えぇぇ!?!?
※しつこい。
「そそそんなこと!…無いと、思います…」
何故か弱気になるあたし。
そんなこと…ないのですかね?いや、もしかしたらあるのかもしれないですけど無いとも言えないといいますか…
頭の中が混乱してしまって…はぁ。
隣を見上げればさっきまであたしよりも先を歩いていたはずの先輩が隣に並んで歩いていて、その表情はどこか涼しげで楽しそうに見えました。
…ひ、ひどいです。
「ハハハッ!!何か面白ぇーっ!」
あたしの心境も知らずに笑い続ける先輩。
それはそれは嬉しくて仕方がないのだろうと、思われる。