【中編】彼女様は甘い味。

悪魔様の性格





「…本当に、奏音が羨ましい」


「そんなこと言ったって…

奏音だって好きでこんなことになったわけじゃないのよ?」


「まー…、そうだけど…」



真ん中に奏音を挟みながらの会話、まるで“捕われた兎”って感じ。


そして恵はまだ納得がいかない。



…そんな顔。





「あたしだって…

代わってもらえるなら代わってもらいたいです…っ」


「なーにを言ってんだ!

…つか!何であたしだけ選ばれなかったわけ!?」


「さぁ、…」




私には無関係って顔をして持っていたトレイに紙くずなどのゴミを載せる。



そんな結衣の仕草を見てか、

奏音も同じようなことをする。



「今日のお昼は美味しかったですね!

…あ、ウーたんもう来た頃でしょうか…?」



嬉しそうにとても幸せそうな笑みを溢す奏音、


「そうね…、

早く今日は帰らなきゃね?」


「はいっ!」



今日は何だか、

奏音に何かが届くみたいで。




「…トレイ!

皆の分も返してきますっ」


クルッと後ろ向いて歩き出した瞬間、



「…あ、っ!!

桜木、危な…っ!」

「…隼人く、…っ!!」




─ベチャッ!



…あれれれ、?


「あっ!…申し訳な…っ」




っ!?


ま、まさか…。




「…姫山、先輩…」


あたしの目の前には凄い形相で隼人くんを睨み付ける、

…何故か、姫山先輩の姿。



どうしてここに居るのですか…?


…しかし、

そんなことを聞く、場面ではなく。




「…オイ、糞ガキ…」


そうなんです…




なんと、


…なんと、なんと



「…ぶっ殺されてーのか!?…あ゙?」



隼人くん達から飛んできた卵…が、


姫山先輩の頭…に。



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