【中編】彼女様は甘い味。
「…そ、それは…っ」
何かを含んだような言いぐさの京香さん。
でも考えてみれば…
知ってるハズなんてないのに、なんであたし達がここに居るのを知っていたのですかっ!?
だからそれを考えてたんだよ、と思うが。
「言えよっ!!何か隠してんじゃねぇーの?」
京香さんを見下ろすように見てから低く、
きっと今の先輩は苛々されてるんだろうなと。誰でも分かるような感じで言いました。
ていうよりも見下ろす、より見下すのが蓮先輩っぽいような…
気もしますが。
「あたし悪くないもん!」
「まぁ確かに」
あっ!
さっきまでボーッと意識が飛んだ感じだった隼人くんが、
一言だけど、短くそうポツリと呟いた。
なんだ。大丈夫じゃないですか…
と奏音も一安心。
「じゃぁ言えよ!!」
「…お、」
『お』?
きっとあたし同様、先輩も同じように心の中で、
『お』?と思ったんじゃないかな。なんてあ頭の片隅で考えてみちゃったりして。