【中編】彼女様は甘い味。
あの日。
確か京也か…徹?あ、もしかしたら愁かもしんねぇけど。
いつもみたいに四人で寛いでたら、
勢い良く入ってきた女二人。と…ライブで倒れた変な女。
んでその女は何なのか知んねぇけど、また意識を失ってるように見えた。…っつーか意識を失ってた。
この女また倒れたのかよ、…みたいな??
最初はそんな感じだった。
他人の名前なんて覚える必要も無いと思ってたけど。
『桜木奏音』
憶えたくなくても。“奏音”なんて珍しい名前、普段よりは3日くらいは長く覚えてられるかな…なんて、その時でさえも俺はそんくらいにしかコイツを思ってなかった。
「先輩…っ」
ジッと奏音の目を見つめる。
大きくて少し茶色がかってる瞳が太陽からの光を吸収して薄く。奏音の髪と同じくらいに明るい色に変化していた。
そんな…潤んだ瞳で見るんじゃねぇよ。
「お前は馬鹿だから」
その“桜木奏音”っていう女がやぱり普通の女じゃないってことはその次の日。
よりも。
あったその日に判明した。
俺的に見極めた結果は『変態ロリータ女』もしくは『ウサギ女』
見た目も人形見たいで。
ロリコンの男には最高にウケ良いんじゃねぇの??
心の内でそんなことを思って、でも自分には全く関係のないこととして捉える。
けどコイツに出逢ったせいで俺のその後はどんどん狂っていった。