【中編】彼女様は甘い味。
天使と悪魔が恋に堕ちたとして
先輩はあたしの頬に手を添えて、何やらよく意味の分からないことばかり言ってきます。
でも…
こんなことが前にもあったような気がするのですが…??
それよりもこの先輩との近さに高鳴る胸を抑えきれず、先輩にこの音が聴こえないように、聴こえないように。…何度も願いました。
「すぐ騙されるし、ヒョイヒョイ男についてくし」
そ、それは…、なかなか痛いですね。
言われてみると結構、全てに対して否定も異論的なことも出来ないような気がして。
「すいませんです…」
と眉を八の字にしてあたしはシュンとする。
「けど。今決まったから」
「えっ!?」
反射的と言いますか、瞬間的と言いますか…よく分かりませんがそうあたしは口にして聞き返していました。
決まった…?
決まったって、何が。?
先輩の青い空を映しているような澄んだブルー。
その瞳があたしの瞳を掴み捕らえて離さない
そしてその時、
あたしの唇に甘いモノが降ってきて。
目に触れている…赤い、髪。
「…俺だけ見てろよ。」
スッと先輩のドアップが目の前にきていまして、…思わず心が跳ねました。
え、今のって…なんですか?
唇に触れたのは何なんでしょうか、触れた…?何が。
ちょっと待って下さい!!
そして始まる奏音的脳内解析、分析。