【中編】彼女様は甘い味。
初めて…、あたしと同じです。ね。
「あ、あたしも…です」
「知ってる」
そう言うと先輩は笑って微笑んだ。
「なぁ、よく聞いとけよ?」
先輩はそう言うと再びあたしに顔を近づけて耳元にこう囁きました。
「…お前が、好きだ」
好き…?
先輩があたしを、好き。
そう思っただけで顔はカーッと熱を帯びて目もとがジワリジワリと。
揺れる視界の先には、いつもの先輩よりも何倍も何十倍も優しさに満ちた笑みを浮かべている蓮先輩がいました。
「格好つけたって意味無ぇよな、…お前なんて特に口で言って言葉にしなきゃ分かんないだろうし…」
「…です、」
声が震えて上手く喋れない。
呼吸は乱れて言いたいことが上手く言えません。
そんなあたしの頬に零れ落ちる涙を優しく拭うと、その頬に触れて、
「ん?」
と、悪戯っぽくも笑ってみせて。
「あたしも…っ、ずぎでず!!」
「ははっ!!鼻水垂れてるし、『ずぎでず』って何だよ」
あたしの決死の一言をこう馬鹿にしてくるのも、一生懸命なあたしの鼻から垂れてしまった鼻水とやらも。
でもこんな先輩が好きです。
あたしは、