【中編】彼女様は甘い味。




…明日から学校にも連れて行ってあげよう!



そしたらウーたんも喜びますね、うん。


そのままウーたん人形をギュゥ…っとキツく抱き締めると、奏音は目を思い切り瞑る。





「…ウーたん…、」


何故、奏音がここまで人形に執着するのか。

それは謎…



でも奏音の頭の中は常にお花畑とウーたんだけが存在する。

…と、


前に恵が笑いながら言っていたことがあった。



しかしこの時の奏音の頭には別のモノも…





「バットくん…、元気かなぁ…

…先輩に苛められてないといいですけど…」


目を開け、大きな瞳でウーたんと見つめ合いながら言うと、

小さくあくびをする。




「…姫山先輩…っ」


あら…?

とうとう奏音は夢の中。



そして夢の中には、お花畑とウーたんと…




悪魔が一人。



< 28 / 189 >

この作品をシェア

pagetop