【中編】彼女様は甘い味。
…明日から学校にも連れて行ってあげよう!
そしたらウーたんも喜びますね、うん。
そのままウーたん人形をギュゥ…っとキツく抱き締めると、奏音は目を思い切り瞑る。
「…ウーたん…、」
何故、奏音がここまで人形に執着するのか。
それは謎…
でも奏音の頭の中は常にお花畑とウーたんだけが存在する。
…と、
前に恵が笑いながら言っていたことがあった。
しかしこの時の奏音の頭には別のモノも…
「バットくん…、元気かなぁ…
…先輩に苛められてないといいですけど…」
目を開け、大きな瞳でウーたんと見つめ合いながら言うと、
小さくあくびをする。
「…姫山先輩…っ」
あら…?
とうとう奏音は夢の中。
そして夢の中には、お花畑とウーたんと…
悪魔が一人。