【中編】彼女様は甘い味。
これが噂の…、
“葛木京也先輩、王子様って感じの人だよね〜、まぁ、女関係の噂が凄いけど…”
思いだすこと…
約何週間か前、…こんな言葉を恵ちゃんから聞いたような気がします。
…はい。
「こ、こういうことは、…その、良くないと思いますっ!!」
突然、目を瞑り力いっぱいな感じで言う奏音、
それに京也も驚いた表情をする、…けど。
「…え、どうしてかなぁ?」
やけに色っぽいこの声と喋り方に何だか困惑気味の表情、
だ、だけど、駄目なものは駄目なんです!
「…あの、ですね。その…?」
言いたいことがあるのに、舐めまわすように見る京也のせいで何も言えなくなってしまったらしく…
い、いやぁ…、
こんな見方は、ダメです、よ。
「奏音ちゃんは俺のこと………うあっ!?」
向かい合っていたはずの葛木先輩の姿があたしの目の前から一瞬で消えて、
…っ?
「…変態は消えとけ、」
後ろから聞こえた声に振り返ると…
「…姫山、先輩っ!!」
「お前もボケっとしてんじゃねぇよ、ウサギ女」