【中編】彼女様は甘い味。
「…これから練習、始まるらしいわよ」
柔らかく微笑んで結衣ちゃんは言うと、ステージを見つめた。
…結衣ちゃんは、
やっぱり山瀬先輩のことが好き、?なんでしょうか…
「あの、結衣ちゃんは…」
そこまで言ったのに止まる。
「ん?、どうしたの?」
もしかしたら結衣ちゃんにとってそれは、内緒話かもしれない…ですし。
こんな非常識な質問をしてはいけない、んじゃないかと思ったり思わなかったり…
「…始まったわ」
え、…っ?
そんなくだらないことを考えてる間に練習は始まってしまっていた。
「…あ、はい…」
コクリと無意識に頷きながらステージを見る。
…でも、
チラリと隣の結衣ちゃんを見てみる…。
「好きなの、私…」
…ふえっ!?
突然のカミングアウト的なことに驚いてビクッとする奏音。
…す、す、好き、ですか?