【中編】彼女様は甘い味。




結衣ちゃんの一言にちょっと困惑気味。



「…あ、あたしがですか…?」


「奏音がよ?」



結衣ちゃんの言う事はほとんどよく当たる…、

だから今回ももしかしたらなんて思ったりしたりしなかったり。



「な、何を根拠に…?」

ドキドキと速まる心臓を抑えながら奏音はチラッと結衣の顔を覗きこむようにそう聞いた。


…すると少し間が開いて…。




「秘密」


…秘密っ!?



「…秘密、ですかぁ、」


さっきまでの緊張感は一気に冷めて、深く深呼吸。
そんな奏音を見てクスッと笑う結衣。




でも…、恋ですかぁ。


あたしには良く分からない感情。

…きっとしても気づかないんじゃ?



―そんなことを思っていると。




「…休憩にすっか~」

気付けば演奏は終わっていて、姫山先輩のその声でハッとする。



でも結局は、あたしたちに仕事なんて全く無いわけで…、ただ居てくれれば良いという葛木先輩の意見。




「徹くんのところ…、行ってきていい?」

優しい笑顔でそう結衣ちゃんにコクンと縦に頷くとまた優しくニコッと笑ってくれた。



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