【中編】彼女様は甘い味。




結衣ちゃんが居なくなって一人になってしまいました…。


…暇です。



今日は授業が4時間だったので、その後からみなさんで練習をしているわけでして…、

そこで一つ思い出すことが、



…鞄、持ってきたんでした!


そのまま奏音は思い出したようにみんなが鞄を置いた場所まで向かうと、
そこからやけに目立つピンクの人形や小物やらが付いている鞄を見つけ、あるモノを取り出した。




「…ウーたん!」

今日はピンクのワンピースを着ているウーたん。


…一体、奏音は何を考えているのだろうか?




確かこの外に小さな花壇があったような…、そう思ってゆっくり外に出る、と。



…あ!、あった!!

すると近くにあったベンチにゆっくりと腰を下ろした。



「ねぇ、ウーたん…?

…恋ってどんな気持ちなのかなぁ?」

人形や動物と話す時は何故か敬語じゃなくなるらしい…


…だけど、

こんなことを人形に聞いているのは、奏音ぐらいだろう。



「ウーたんも、分かんないかぁ…

…あ、お花の匂いがいっぱいだよ?」

自分の膝の上にチョコンとウーたんを乗せてそんな会話をする奏音。



気付けば一人で鼻歌を歌いだす。


この能天気振りはどこからきているのだろうか…?



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