【中編】彼女様は甘い味。
「…ボーっとしてんじゃねぇよ!」
その言葉にハッとして、我に帰る。
「…あ、すみませんです…っ」
ちょっと、何だか変な感覚になるところでした…、
最近ちょっと疲れているので、きっとそのせいで先輩がいつもより格好良く見えてしまったんだ、そうでだ。そうですっ!!
「つか…、お前のその意味もない『です』とか、どうにかなんないの?」
意味もない…、『です』ですか?
「え、?…どういうことですか?」
あたしがそう言うと、困った表情の姫山先輩。
「お前にそんなこと言っても無駄か…」
…へ?
「姫山…、先輩?」
不思議に思って何となく先輩の名前を呼んでしまう。
「…あーもうっ!!…つか蓮か蓮二でいい、」
急にベンチから立ち上がってそんなことを言うと持っていたタオルをまたもや奏音にぶつける。
…何がですか…?
きっとコイツは分かってない、そう思った蓮二はまた言葉を付けたして、
「姫山先輩は…、止めろって言ってんだよ!」
…それって、
「じゃぁ、…なんて呼べばいいんですか?」
話を聞いていたのか?この子は…
「だからさっき言っただろうが、お前バカか?アホか?それとも何だ…っ!?」
これは蓮二の照れ隠し。
素直に『名前で呼んで』なんて、…言えるわけがない。