【中編】彼女様は甘い味。
「…はいっ!
中等部の三年です」
そう言ってその子は笑った。
…あ、あたしより一つ年下なのに、
背もあたしよりはるかに高くて、顔も綺麗で…
心の中だけで少しばかり奏音は落ち込む。
何故ならチビで童顔な自分には似ても似つかないぐらいの美人さんだったからだ。
「…あたしより一つ下ですか…」
まだ引きずっている、らしい。
そんな奏音を見てその子はクスッと笑うと、
「あたしの名前は、“葛木京香”です、よろしくお願いしますっ」
ペコッとお辞儀をする葛木さん。
…葛木先輩と苗字が同じ人だ!
なんて…、
感動に浸っているけど、とある事実には後程気が付くことになる。
「よろしくです…っ
あたしは、桜木奏音って言います」
あたしもそう自己紹介をするとペコリとお辞儀をする、
そして顔を上げた瞬間…