【中編】彼女様は甘い味。




さっきまでの可愛い笑顔はどこへやら…


とてつもない、表情で奏音を見下ろすと…、ズイズイと近付いてくる。




それに怯んだのか、後退りをする奏音。



「アンタ…ね?

…頭のイカれた女は!!」


ひっ!…ひどいです、

…とか、思いつつも反論することもできない、“桜木先輩”。




「お兄ちゃんに聞いたのよ!

『凄く可愛い女の子がいるんだ、奏音って名前の』ってね…」



お兄ちゃん、?

あ、もしかして…



「葛木先輩の、妹さん…ですか、?」


壁に背をつけた状態でチラッと彼女の顔色を窺いながら、聞いてみる。



…すると、

おもいっきり顔をあたしの目の前に持ってきて、『だったら何?』と言われてしまい…



黙ってしまう。




それにしても…、
そもそも何であたしがこんなことをされてるんでしょうか?


あたしもあたしなりに色々、考えごとがあるというのに…



「何が可愛いよ、…

ただのちんちくりんじゃないのっ」



…ち、ちんちくりん…


またもや自分よりも美人さんの葛木さんに言われて悲しくなってしまった奏音。


ひどい…、ひどい!!



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