【中編】彼女様は甘い味。




…ちんちくりん。


言われてみれば心の中で何度も響き渡るような…



それは何より、

こんなスタイルの良い美人さんに言われてしまったからなのかもしれないですけど。



「…そ、そんなひどいこと」

うるうると潤ませる瞳を堪えるように、



それでも彼女の表情は変わらなくて…




「…蓮二くんに、」


へ?



…蓮、先輩?


不思議に思いながらも口には出さず、ボーッと葛木さんを見つめる。



「ちょっかい出してんじゃねーよ!!」


す、凄い剣幕でそう言うと、



あたしの制服の襟を掴んで思い切り壁に押し付ける。


…痛っ!





「…あの、あの…っ」


「はぁっ?

…大体、蓮二くんもどーかしてんのよ!こんなちんちくりん…っ!!」



あ…、

またちんちくりんって言われました…。



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