【中編】彼女様は甘い味。
これは単純なことなんじゃ…?
…単純、?
単純って何だよ。
くそっ…、やっぱよく分かんねぇ。
「何かマジで、嫌な感覚」
再び閉じていた瞼を開ける。
するとたくさんの光が目の中に入ってきて、少しばかり痛い。
ポケットに入ってる携帯を取り出せば、
…これまたらしくないストラップ。
京也にも『どーしたの?ソレっ!!』なんて言われたっけ。
何がバットくんだ…?
ふざけるのもいい加減にしろって話。
大体、本人は知らねぇんだろうけど…
一年に変な女が居るってのは入学式ぐらいから騒がれてて、
まぁ…、
はっきり言ってまさか自分が出逢うとは…、な?
結局俺は、
アイツが練習にも食堂にも顔を出さなくて一週間以上経った。
…別にどうでもいーのに。
どうなったって関係ねぇのに。
俺は…、俺は本当に。
…どうしちまったんだ?